2011年1月12日水曜日

マリ:投資家によって追われる農民たち

アフリカで進む農地収奪についてアフリカ日本協議会の斉藤さん提供の情報です。

African Farmers Displaced as Investors Move In(2010/12/21)
http://www.nytimes.com/2010/12/22/world/africa/22mali.html?_r=1&scp=1&sq=African%20Farmers%20Displaced&st=cse








(Wikepediaより) 

「日々かろうじて生計をたて、やせた土地を何世代にもわたって耕し続けてきた農民は、自分たちの土地がリビアのカダフィ大佐の土地になり、自分たちが土地から出て行かなくてはならないという驚くべきニュースを聞かされた。」
このニュースは、アフリカを始め、開発途上国で進む、地球的な規模のランド・ラッシュ、農地争奪の一つの例を紹介したものである。アフリカ諸国では政府が土地の所有権を有しているケースが多く、その土地を(耕作し、何世代にもわたって生活してきた人々がいるにも関わらず)その土地を外国政府や投資家に貸し付けてしまうという問題が起きている。
国連や世界銀行は土地取引と生産が公正に行われれば、増加する世界人口を養うことに寄与するというが、一方、新しい植民地主義であり、農村を破壊し、膨大な土地なし農民が発生するという懸念もある。
(この辺の議論は世界銀行の報告書やGRAIN、食料の権利に関する国連特別報告者などによるものであり、別途記事を紹介する)

この記事によると
マリに対しては、中国、南アフリカがサトウキビ、リビヤとサウジ・アラビアが米、またカナダ、ベルギー、フランス、韓国、インド、オランダなどが投資を進めているか、あるいは関心を持っているという。
マリでは約60万エーカー(24万ヘクタール)を対象にした60の契約が結ばれているというが、実際には60万ヘクタールにのぼるという説もあるという。記事ではこの大半は国内投資家による国内市場向けの食料生産だというが、リビアに対する10万ヘクタールのリースのようなケースも存在している。しかしこの契約ではリビアはその土地を開発するという条件で、50年間にわたり土地を無償で利用できるという。
このリビヤとのプロジェクトでは2万人が影響を受けるといい、既に抗議行動も起き、軍によって逮捕されたものもいるという。しかし農民は土地を守るために死ぬ覚悟だという。
「人々は権利を守るために立ち上がらなければ、すべて失ってしまう」

マリの国連開発計画事務所で働くエコノミストは、農業社会であるマリにおいて、農民から土地を奪ったら、他に生活を支える手段はなく、首都に職を持たず、土地から流れてきた住民がふくれあがり、政治的な問題となることは明らかだと分析しているという。

「私たちの家を破壊し、土地を取り上げる前に、私たちが生活し、耕していける新しい土地を示してみろ」という抗議の声がある。
(記事の整理、部分訳は開発と権利のための行動センター 青西)

関連スライドショーはこちら
http://www.nytimes.com/slideshow/2010/12/21/world/africa/20101221_MALI.html

その他関連情報
マリ 外国資本の農地開発で小農民が水飢饉? 食料不安が煽る持続不能な食料増産(農業情報研究所 09/3/17)
 http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/agrifood/overseainvest/09041701.htm

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